順風満帆に起業した経営者が2年で倒産?
私は平成14年12月に税理士として開業しました。
開業当初、お客さんはもちろんいませんでした。たまたま、近くの信用金庫に営業に行ったとき、幸運にもある個人事業主の内装業のお客様を銀行の営業の方からご紹介いただきました。
私にとって初めてのお客様だったので、このお客様はとても印象に残っています。
このお客様は長年現場で修業を積み、40歳で独立開業しました。
今までの経験やネットワークもあり、起業直後から仕事がたくさんありました。
毎日寝る間も惜しんで、仕事をしていたと記憶しています。
自分一人では仕事が回らなくなり仲間に頼んだりしながら何とか仕事をこなしていたようです。
仕事はどんどん舞い込みましたが、逆にだんだんと時間的にも精神的にも余裕がなくなっていきました。
そしてその後・・・
約2年後に廃業になりました。
このお客様の身に何が起きたのでしょうか?
普通なら開業直後に仕事がたくさんあり、売上もどんどん上がり、仲間にも助けてもらえる、起業の仕方としては最高のスタートですよね?
私はこの方からそれとなく話を聞きました。
起業してお金が儲かるようになると、もっとお金を稼ぎたいと思ったのか自分の限界以上に仕事を取っていくことをしていたようです。
・行き当たりばったりで工事の計画を立てなかったり
・納期に間に合わないからといって納期に間に合わせるために手抜き工事をしたり
・仲間への支払いを遅らせたり
・連絡を怠ったり
自分ひとりで儲けようとしたりしてしまっていたようなのです。
仕事の質が悪くなれば依頼は減るし
仲間を大切にしなければ助けてもらえなくなり
得意先を大切にしなければ切られる
こういったことが起こります。
そして・・・当然の結果として、2年で廃業に追い込まれたのです。